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(院内報から転載)
1889 年のロシアかぜ(Russian ʻFluʼ Pandemic in 1889)
新型コロナウイルスによるグローバルな感染爆発は、100 年前のスペインかぜ(1918-1919)以来の世界的規模のパンデミックとされています。スペインかぜは、「史上最悪のインフルエンザ 1」と評されますが、正体がインフルエンザウイルス感染であることが判明としたのは後年のことです(インフルエンザウイルス⾃体の発⾒が 1933 年 2)。アラスカの永久凍⼟に埋葬されていた遺体の肺組織等から正確なウイルスゲノム情報が得られたのは、1997 年のことでした 2, 3。
スペインかぜの 30 年前、今では殆ど忘れ去られたパンデミックがありました。1889 年から 1890 年にかけて世界を襲ったロシアかぜです。⽇本では明治 22 年頃の話です(⼤⽇本帝国憲法公布の年)。世界⼈⼝ 15 億⼈の当時、100 万⼈が犠牲になったと推定されています(新型コロナでは世界⼈⼝ 70 億で現在まで死亡 400 万⼈)。ロシアかぜは、英語では Russian ʻFluʼと記されます。flu とはインフルエンザのことですが、当時の医学や⽣物学では、病原体の特定は全く無理な状況でした。後年の分析に使えるような組織材料も残っていませんでした。インフルエンザとされた根拠は、1950 年代に⾏われた⾼齢者⾎清中抗体(H2N2 インフルエンザ A)のレトロスペクティブな検討です(⾎清考古学 seroarcheology)4。しかし後に別のグループは H3 型インフルエンザ A 原因説を唱えており 5、インフルエンザ原因論は、あくまでも間接的な証拠に基づく仮説です。
2002-2003 年の SARS-CoV-1 (旧名 SARS)の流⾏は、パンデミックの原因として、コロナウイルスへ研究者の関⼼を向けました6, 7。現在、ヒトの⾵邪(common cold)を引き起こすコロナウイルスとして HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1 の4種類が知られており、世界に遍く分布しています 7。NL63 と HKU1 は、SARS-CoV-1 流⾏後に発⾒されました(それぞれ 2004 年と 2005 年)。229E と OC43 は 1960 年代に報告されていたものの、⻑年研究の進展はありませんでした。2005 年になって漸く HCoV-OC43 の全ゲノム配列が報告され、Bovine CoV(⽜コロナウイルス)との⾼度の類似性が確認され、変異レートに基づく分⼦時計解析(molecular clock analysis)の結果から、1890 年頃 Bovine CoV が変異して、ヒトへの感染⼒を獲得し、今⽇ HCoV-OC43 として知られるウイルスが誕⽣したことが⽰されました(他の複数の推計⽅法でも年代的にはほぼ⼀致)8。この HCoV-OC43 が新興コロナウイルス感染症としてロシアかぜの原因となったとする説が、インフルエンザ原因説と並ぶ有⼒な仮説として、今回のパンデミックを契機に、改めて注⽬されるようになりました 6, 8, 9, 10, 11。また中枢神経系合併症を伴うことが多かった点なども、ロシアかぜの原因として、インフルエンザよりむしろコロナウイルス説(OC43 ウイルスは neurotropism がある)を⽀持する根拠とされています 8。SARS-CoV-1 や MERS-CoV(2012 年)のようなコロナウイルスは、世界の⼀部の地域で流⾏し⾼い致死率を⽰しましたが、短期間で忽然と姿を消しました 7。⼀⽅ HCoV-OC43 は、1889 年のパンデミックの原因だったとすると、最初の 2 年ほど世界中で⼤きな⼈的被害をもたらした後、徐々に無毒化(avirulent)し、平凡な⾵邪ウイルスとして我々と共存するという経過をとったことになります 6, 8, 10。
現在の新型コロナウイルスが、今後、中⻑期的にどのように変化していくか、正確なところは誰にもわかりませんが、病原性を徐々に弱めて⾏き、第5の⾵邪コロナウイルスとして我々の⽣活環境に残っていくだろうと予測する数理疫学モデルも発表されています 11。現在我が国は、流⾏の第5波に突⼊しつつあり、⻑期的な展望を検討するのは、時期尚早の感もありますが、過去の事例が例外なく⽰しているように、終わりのないパンデミックが無いことはまず確かなことです。(2021/7/18)
参考文献:
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- Beams, A. B. et al. Will SARS-CoV-2 Become Just Another Seasonal Coronavirus? Viruses 13, 854, 2021.
新型コロナウイルス患者はいつまでウイルス排出を続けるのか?
(院内報から転載)
新型コロナウイルス患者はいつまでウイルス排出を続けるのか?
- はじめに
当院でも2月からアフターコロナの患者を受け入れておりますが、受け入れを開始した当初は、患者の感染性に関して懸念があり、かなり慎重な導入となりました。最近では、一般的な厚労省、県の基準1,2に沿って対応しており、通常の免疫能を有する (immunocompetent) 症例ではこの対応で問題ないと思われます。一方、CDCのガイドライン『医療現場における感染性に基づく予防措置の解除とSARS-CoV-2感染症患者の取り扱い』(Discontinuation of Transmission-Based Precautions and Disposition of Patients with SARS-CoV-2 Infection in Healthcare Settings)に最近(2021/2/16付)以下の改訂が行われました3。
- 重症免疫不全患者は、発症後20日間を過ぎても感染力を有している(infectious)可能性がある。感染症専門家へのコンサルトが推奨される。予防措置を解除する時期は、検査結果をふまえて(test-based)決定することが考慮される。
想定外に、長期間ウイルス排出を続ける症例の報告が集まってきたことに基づく改訂です。5つの文献が根拠として参照されています4。以下で内容を検討していきますが、その前に、ウイルス分離培養とPCR検査等の方法と意義の違いに関して簡単に説明しておきます。なおこのCDCガイドラインでは、「重症免疫不全患者」の定義には踏み込んでいません。一般化するのはなかなか困難かと思われ、ケース毎に検討が必要と考えます。
分離培養は昔からウイルス疾患診断の‘gold standard’とされて来ました5。以下にSARS-CoV-2分離培養プロトコールの1例を示します6。
- 24-well培養プレートの各ウェルに5 x 10^5 cells/mlの付着細胞株Vero E6細胞(ATCC CRL-1586)を撒き、一晩インキュベートし、サブコンフルエントなモノレーヤーを準備する。培地は、DMEMに10% FCS, 必須アミノ酸等を型通り添加して使用。
- 患者検体をOptiPro serum-free培地 (GIBCO)に懸濁して粘度等調整。
- 上記2から100μlを取り、各ウェルに加え、37°Cで1時間培養。
- 培地を捨て、ウェルをPBSで洗浄。新しい培地500μl(2%FCS)を加えてインキュベート再開。
- 細胞変性効果(cytopathic effect: CPE)の有無を顕微鏡で観察する。(図1) 陽性検体でもCPEが観察できるのは、概ね5、6日目以降。また、2日ごとに培養上清50μlを回収しリアルタイムRT-PCRでも評価する。
- 陽性検体の培養上清保存(確認/追加検査用:PCR, 電子顕微鏡等)
以上のように、約1週間かかり、迅速, 大量処理を旨とする臨床検査としては、実際的とは言いがたい検査です。なお、最初の分離培養こそヒト気道上皮の初代培養細胞を使って行われましたが7、その後のほとんどの報告では、Vero細胞とその亜株(Vero E6)が使用されています8。これらはACE2を高発現9しており、中国の不活化ワクチン産生もVero細胞を使用しています10。Vero細胞はHeLa細胞と並んで、50年以上前から世界中で広く使われてきた有名な不死化細胞株ですが、1962年千葉大学細菌学教室の安村美博無給副手によりアフリカミドリザルの腎臓から樹立された細胞株です。エスペラント語で緑の腎臓を意味するVerda Renoを短縮してVeroと命名されました。Veroはエスペラント語で『真実』の意味でもあるそうです11。
図1:培養したVero細胞(A) ウイルスなし(negative control) (B) 新型コロナウイルス増殖により変性したVero細胞。形態変化(rounding)や剥離が認められる12。
新型コロナウイルスのゲノムRNAは、29,903塩基対(bp)[Wuhan-Hu-1: NC_045512.2/MN908947.3]からなります13。PCRはDNA(RNAウイルスの場合はまずcDNAに逆転写してから)を増幅する方法ですが、ウイルスゲノム丸ごとを増幅しているわけではありません。我が国で推奨されている国立感染研のプロトコール14では、ターゲットは、N遺伝子の2箇所の百数十bp (N1セット:128bp, N2セット:158bp)です。市販キットによっては、3箇所程度の比較的離れた部位(例えばTFSのキット15ではOrf1ab, S, N)を同時に評価するものもありますが、短い増幅産物(アンプリコン)であることに変わりはありません。従ってウイルスが壊れて、ゲノムが相当断片化していても増幅が起きる可能性があります。またウイルスゲノムRNAやウイルス粒子は、ウイルスが複製能を失ってからも比較的安定で長期間生体内に残存する可能性が報告されています16。
コロナウイルスが細胞に感染すると、ゲノムRNA以外に、数本(SARS-CoV-2では10本)のサイズの異なるサブゲノムRNA(以下sgRNA)が作られます17,18。sgRNAは、5’端に、 ゲノムRNAの5‘端にあるリーダー配列(leader sequence)と同一のリーダー配列があり、この下流に構造遺伝子とポリA鎖が続きます(3’端は共通。3’-coterminal nested-set structureという) (図2)。従って、リーダー配列にフォワードプライマーを設定し、例えば、E遺伝子領域にリバースプライマーを置けばRT-PCRでE sgRNAを検出することができます。sgRNAは、活発に分裂しているウイルスのみで合成され、ゲノムRNAと異なり、生体内での安定性が低いと想定されるので19、分離培養の代替手段(サロゲート)となりうる可能性があります。実際にトップジャーナルを含む複数の報告がありますが20,21,22,23、より最近の報告では、サロゲートにはならない、という考えのほうが有力のようです24,25。(ウイルスRNAの複製、転写の場となるdouble-membrane vesiclesの)膜に結合したsgRNAは、意想外にヌクレアーゼによる分解に抵抗性であり、長く残存する可能性が理由として提示されています24。
以上から、感染性を、正確かつ簡便に評価することは、実臨床ではなかなか困難なことが理解されます。
図2(文献24より引用):最上段のバーはSARS-CoV-2ゲノムRNA全長を模式的に示す。2段目以下に、10種のサブゲノムRNAを模式的に示す。左側のバイオリン図は、各sgRNAのNGS(次世代シークエンサー)によるリード数を示す。白丸は平均リード数、黒色太線は、四分位範囲(IQR)を示す。
- CDCガイドライン改訂の根拠として引用されている5つの報告26,27,28,29,30
さて、以下でこれらの報告に関して出版順に内容を検討していきたいと思います。
- Choi B et al. Persistence and evolution of SARS-CoV-2 in an immunocompromised host. Engl. J. Med. 383, 2291-2293, Dec 02, 2020
22年の病歴を有する激症型抗リン脂質抗体症候群(Catastrophic APS: CAPS)の45歳男性。5ヶ月前に稀な合併症である肺胞出血の治療歴あり。入院前、抗凝固療法(ワーファリン)、ステロイド(PSL15mg/day)、シクロホスファミド、リツキシマブ(リツキサン)、エクリズマブ(ソリリス)の投与を受けていた。Day 0にPCRでCOVID-19の診断(Ct値32.4<40)。レミデシビル5日投与されDay 5軽快退院。Day 6からDay 68まで自宅隔離。この間3回一時入院(腹痛、倦怠感、呼吸困難)。Day 39のPCR Ct値37.9(陰性と判定)。Day 72に再陽性(Ct値 27.6)となり他院入院。レミデシビル10日間。その後PCR陰性。Day 111, 低酸素血症増悪。肺胞出血増悪の懸念ありステロイド増量。Day 128, PCR Ct値32.7(再燃疑い)。レミデシビル5日間投与。その後PCR陰性。現病に対してIVIG、シクロホスファミドIV、ルキソリチニブ(ジャカビ)、ステロイド治療実施。Day 143, Ct値15.6。抗SARS-CoV-2抗体カクテル治療。Day150挿管。Day151, Ct値15.8。アスペルギルス感染併発。レミデシビル、抗真菌薬投与されたがDay 154死亡。ウイルス遺伝子の系統発生解析(Phylogenetic analysis)より、初感染からの持続感染であることを確認。Day 75とDay 143の検体よりVero E6を使用してウイルス分離培養。
- Avanzato VA et al. Case Study: Prolonged Infectious SARS-CoV-2 Shedding from an Asymptomatic Immunocompromised Individual with Cancer. Cell 183, 1901-1912, Dec 23, 2020
アメリカ合衆国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)からの報告。10年の病歴を有する慢性リンパ性白血病(CLL)の71歳女性。2次性の無ガンマグロブリン血症合併。無症状濃厚接触者として検査を受け感染が判明。以後Day105まで14回のPCR検査が陽性。Day 49, Day70の検体からウイルスが分離培養(Vero E6)されている。回復者血漿(convalescent plasma)治療を2コース受けている。最終的には検査も陰性化(Day 106以降に4回連続陰性)。経過中、終始無症状であったが、長期間ウイルスを排出していた。ウイルスRNA(genomic & subgenomic)の定量を、経過観察期間の前半は、リアルタイムPCRのCt値から計算で、後半はデジタルPCR (ddPCR)を使ってダイレクトにコピー数を算出している。
- Shedding of Viable SARS-CoV-2 after Immunosuppressive Therapy for Cancer. Aydillo T et al. Engl. J. Med. 383, 2586-2588, Dec 24, 2020
COVID-19を発症した20名の免疫不全患者におけるウイルス排出に関して検討。基礎疾患は、急性骨髄性白血病/骨髄異形成症候群4名、慢性白血病(chronic leukemia)1名、リンパ腫8名、骨髄腫7名。このうち造血幹細胞移植後が16名、CAR-T細胞治療後2名。移植からの期間は、1年未満が50%、1年以上2年未満が19%、2年以上が31%。11名がCOVID-19重症。このうち3名の患者(造血幹細胞移植後2名、CAR-T細胞治療後1名)が発病20日を超えてウイルスを排出(Day25:Day26:Day45,51,61)。
- Baang JH et al. Prolonged severe acute respiratory syndrome Coronavirus 2 replication in an immunocompromised patient. Infect. Dis. 223, 23-27, Jan 04, 2021
60歳の治療抵抗性マントル細胞リンパ腫(MCL)の男性。現疾患に対する免疫化学療法中、鼻出血と咳嗽あり(発熱なし、肺炎所見なし)、PCRにて陽性確認。Day 131までの経過中PCRは全て陽性(Day12,29,33,38,81,93,106,119,112,125,128,131)。
Day 30からレミデシビル10日間。Day 31に回復者血漿治療。現病増悪にてDay85-106化学療法実施。COVID-19症状増悪あり、Day122から再度、レミデシビル10日間と回復者血漿治療。最終的には在宅ホスピスケアに移行。保存検体からVero E6細胞を使い、ほぼ全ての検体からウイルスが分離された(Day 119まで)。全ゲノム解析による系統樹分析から、再感染ではなく、同一ウイルスの持続感染であることを確認。
- Tarhini H et al. Long term SARS-CoV-2 infectiousness among three immunocompromised patients: from prolonged viral shedding to SARS-CoV-2 superinfection. Infect. Dis. 10. Feb 08, 2021, doi:10.1093/infdis/jiab075
フランスから3症例の報告。
症例1:意識障害で入院した66歳男性。HIV感染(CD4細胞0/mm3, CD19 細胞 60/mm3)と進行性多巣性白質脳症PML(脳脊髄液PCRでJCウイルス陽性)の診断。鼻咽頭PCRでSARS-CoV-2陽性(髄液では検出されず)。Day 43-95まで新型コロナウイルス分離(Vero E6)。Day 124でPCR初めて陰性。
症例2:心臓移植後の71歳男性。免疫抑制剤内服中(プレドニン、ミコフェノール酸、ベラタセプト[T細胞刺激調整薬、本邦未承認])。Day 121までPCR陽性。Day 106検体からウイルス分離培養(Vero E6)。
症例3:リツキシマブ治療を受けているリウマチの35歳男性 (CD19細胞 0/mm3)。Day 84検体でウイルス分離(Vero E6)。PCRは、Day 92まで陽性。
まとめ:
免疫不全の患者(特に治療中の血液疾患、膠原病)では、従来想定されていたよりも長期間(無症状でも)感染力のあるウイルスを排出し続ける可能性があり、院内感染防止上、十分な注意が必要かと思われます。前述したように、感染性の有無を実臨床で実施可能な検査で確定させることは、現実的ではありません。PCRでは、「生きた」ウイルスの存否を決定はできませんが、経時的に追跡して、陰性化すれば、ウイルスの残存はかなり否定的(少なくとも臨床的意義のない程度まで減少している)と評価可能かと思います。患者の病態によっては、発症からの日時で機械的に隔離措置を解除するのではなく、検査を適切に行って管理していくことの重要性が再認識されます。(2021年4月23日)
References
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- 新型コロナウイル感染症(COVID-19)患者の感染症としての隔離を要さなくなる時期に関する考え方と目安に付いて(千葉県新型コロナウイルス感染症対策本部医療提供整備班 令和3年2月19日)
- Discontinuation of Transmission-Based Precautions and Disposition of Patients with SARS-CoV-2 Infection in Healthcare Settings. (https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/disposition-hospitalized-patients.html)
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- TaqPath 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) リアルタイム PCR 検出キット添付文書 (https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/about-us/news-gallery/release/2020/pr042020.html)
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- Tarhini H et al. Long term SARS-CoV-2 infectiousness among three immunocompromised patients: from prolonged viral shedding to SARS-CoV-2 superinfection. Infect. Dis. 10. Feb 08, 2021, doi:10.1093/infdis/jiab075.
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(院内報に寄稿した原稿を転載)
新型コロナウイルス感染症(COVID19)に対するワクチンは80以上の国と地域で接種が開始されており、既に1億7千万回以上投与されたと推定されています(2回接種者を一部含む)。米国のみでも既に5千万回(内訳はモデルナとファイザー/ビオンテックが半々)を越えています(2021/2/13現在)[1]。我が国もようやく接種開始となりますが、ワクチン生産/供給は遅れ気味で世界的な争奪戦の様相を呈しています。中国、ロシア、インドなどが独自のワクチン開発を進める一方、我が国は欧米で開発された製剤の輸入が頼みの綱です[2]。供給されるのは、当面、ファイザー/ビオンテック(BioNTech:Biopharmaceutical New Technologies)によって開発されたmRNAワクチンとなる模様です。以下、ファイザー/ビオンテックのmRNAワクチンを中心に論じて行きます。
ビオンテックは、独ヨハネスグーテンベルグ大学ウグール・シャヒーン(Ugur Sahin)教授(血液腫瘍内科学/免疫学)らが2008年に設立したバイオベンチャーです[3]。彼はmRNA癌ワクチンを中心にしたオンデマンド癌免疫療法(on-demand personalized cancer immunotherapy)の世界的なリーダーとして著名な学者です[4]。ビオンテックは創立13年程度のベンチャー企業とはいっても、現在1800名以上のスタッフを擁し、米国やカナダにも拠点を構えています。2019年株式を公開し、最近の時価総額はゆうに2兆円を超えています [6]。
2020年1月10日ウイルスゲノム配列(当初の名前は2019-nCoV)が公開されるや、シャヒーン教授のチームは数時間でデザインを完了し、ワクチン開発に取り掛かります[5]。ビオンテックは、2018年からファイザーとインフルエンザmRNAワクチン開発で提携関係がありました。3月、両社は、新型コロナウイルスワクチンの共同開発でも合意します。速やかに大規模臨床試験を実施し、当局の承認を取得するにはビッグファーマの力が不可欠です。シャヒーン教授は、2018年ベルリンの感染症学会で、世界的なパンデミックが起これば、自分たちのmRNA技術を使っていち早くワクチンを開発できる、と講演していました[5]。当時ビオンテックは癌免疫療法では知られていましたが、ほぼ無名のスタートアップ企業に過ぎず、市販された製品はまだ一つもありませんでした[5]。ただ彼は、2014年に執筆したレビューでも、将来のパンデミックワクチンはまずmRNAになるだろうと、と記していました[10]。想定通りの展開となって行く訳です。
従来、ワクチン開発には最低でも数年かかるというのが常識とされていました[7]。一方、今回の新型ワクチンは、1年程度の開発期間で一般人への投与が開始されており、驚異的なスピードで実用化されました(Operation Warp Speed [米]、Project Lightspeed [欧])。体外から投与されたmRNAが、生体内で狙った通りの蛋白に翻訳されることが初めて報告されたのは, 1990年のことです[8]。1995年には癌抗原であるCEAをコードするmRNAワクチン投与により特異抗体が産生されることが実証されました[9]。突然世に現れたかに見えるmRNAワクチンの背後には、実は、30年におよぶ地道な研究の蓄積があります。欧米の大学(MIT, イエール等)では2010年前後にRNA創薬研究センターが設立され、企業とアカデミアの垣根を越えて、新しいプラットホームの創薬を目指すエコシステムが誕生しています(例えば、今回コロナmRNAワクチンを開発したモデルナ)。2013年にドイツのチュービンゲンでこの分野の初めての国際会議が開催されました[10]。核酸は140年程前にチュービンゲンで発見されています。
mRNAワクチンは、1)アルファウイルス属ウイルスゲノムに由来するRNA複製機構の下流に抗原遺伝子配列を挿入するタイプ(self-amplifying mRNAワクチン)と、2)非複製タイプ(non-replicating)に分けられます[4,11]。ビオンテックのワクチン(BNT162b)は、後者のタイプで、典型的な成熟mRNAと同じ構造(5’-cap/5’-UTR/ORF /3’-UTR/poly-A tail)を有しています。従って細胞内での翻訳、抗原提示、分解はナチュラルなmRNAと同様です[4,11,12]。ORF(Open Reading Frame)はSARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク塩基配列全長(3822bp)を含んでいます [7,13]。複数のアミノ酸配列がエピトープとして機能していることが確認されており、ウイルスの抗原性に一部変異があっても一挙にワクチンの効果が失われることはないだろうと推察されます[13,14]。ワクチンmRNA配列は、生体内での安定性、翻訳効率を上げるチューニングが施されており、実際には細かなノウハウの塊です[4]。シャヒーン教授は500以上の関連特許を有しているようです[15]。
生体内外には、RNA分解酵素(RNase)が豊富に存在し、裸のRNA(naked RNA) は簡単に分解されてしまい、細胞(特に免疫誘導に重要なのは樹上細胞)に取り込まれる前にほとんど壊されてしまいます。ワクチンmRNAは微小な脂質粒子(lipid nanoparticle, LNP)にパッケージングされており、分解されにくくなっています[4]。製造に鶏卵や培養細胞等を要しないため、生物材料のキャリーオーバーはなく、またチメロサール(有機水銀)のような防腐剤も添加されていません。mRNAと脂質以外の含有成分は、塩化カリウム、一塩基性リン酸カリウム、塩化ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム二水和物、及びショ糖です [16,17]。この中で、LNPに含まれているポリエチレングリコール(PEG)2000が強いアレルギー反応(アナフィラキシー)の原因である可能性が示唆されましたが、確定的な結論には至っていないようです[17,18]。
今回のmRNAワクチンは、モデルナの製剤も、例えば、従来のインフルエンザワクチン等に比べ、高い効果(有効率95.0%)が臨床試験の段階で報告されました[19,20]。実臨床で投与が開始されてからも同様の成績が確認されつつあります[21]。ワクチンmRNAそれ自体が、アジュバントとして機能し、効率的に自然免疫、そして獲得免疫系を刺激しているためと考えられています[10]。有害事象は、アナフィラキシーの頻度がインフルエンザワクチン等に比べて若干高め(1/100,000)[17]である以外、従来のワクチンと大差なく、安全面でも(少なくとも短期的な)懸念はなさそうです[17]。ちなみにペニシリン系抗生物質でアナフィラキシーが起こる確率は10-40/100,000とされています[22]。効果の持続期間に関しては現時点では不明です[16]。また、21日間隔で2回打つ必要があるところは面倒ですが、シャヒーン教授は、「2回目の投与が、3週間、4週間、多分5週間、6週間でもOKだろう」とインタビューで答えています[23]。ただし、1度目の接種者を限られた期間で増やす目的で英国政府が計画している12週間隔での投与には、明確に否定的です[23]。ブースター効果が期待できなくなるからだと思われますが、それは彼らのデータを見ると十分合点がいきます。ワクチンの効果(液性/細胞性免疫誘導)が、なぜか2度目の接種に大きく依存しているからです(図1)[14]。インフルエンザワクチン等では2度目の接種の追加的効果は(少なくとも一般成人では)限定的なので、この相違は興味深いところです[24]。
昨今ワクチンが効かない可能性のある新規変異株(VOC-202012/01[英国型], 501Y.V2[南アフリカ型], 501Y.V3[ブラジル型]等)の蔓延が懸念されていますが[25]、シャヒーン教授は、「2, 3日でmRNAの塩基配列を変更して、6週以内に新しいワクチンを提供できる」とCNBCとのインタビューの中で答えています。またワクチン効果の低下が特に懸念されている南アフリカ型に対しても自分たちのワクチンは有効であるとのデータを得ている、と述べています[26]。
核酸ワクチンを用いた個別化癌免疫療法(対ネオエピトープ、ネオ抗原)は、理論的には面白いものの、臨床効果は大して期待できないとの印象を持っていました。今回、癌ではなく感染症(ウイルス)がターゲットですが、mRNAワクチンがヒトに対してかくも短期間にかくも大量に投与されて効果をあげている現実を前に認識を新たにしています。近年この分野が大きな進歩を遂げつつあるのは間違いないようです[27,28,29,30]。
新型コロナウイルスの出現から1年以上経過し、今なおパンデミックの克服に難渋している現状ですが、この間、我々は多くの知見を得、ワクチンが大きな福音となることもまず間違いないと思われます。一方、コロナウイルスにはまだ十分に解明されていない意外な側面も残されています。臨床的に症状が寛解したコロナ患者で高い頻度でウイルスが持続感染している(小腸粘膜上皮!) ことを示唆するデータも報告されています [31] 。コロナに対する抗体の体細胞超突然変異 (somatic hypermutation) が治癒後も蓄積されていくことに着目した結果です。今後も世界中から多くの叡智が集まり、パンデミック終結につながっていくのだろうとの期待を持っています。(2021/2/14記)
References
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- 中村祐輔『日本でコロナワクチン開発ができない理由?』http://yusukenakamura.hatenablog.com/
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さて、
ゴールデンウイーク真っ只中。気候も最高で、例年なら必ず何処かに出かけていたはず。しかし今年は、コロナ禍の中、ひたすらStay at home。無聊を託つ中、何か自分なりに書き記したくなり、ブログを始めることにした。